ダイサイズから考えるM1X SoC
2020-11-25
Alleged Apple M1X Processor Specifications Surface
Appleは11月17日、Apple SiliconことM1 SoCを搭載したMacBook Air、13インチMacBook Pro、Mac miniを発売しました。各所でベンチマークを始めとした評価記事が公開されており、M1チップの高い性能が話題になっています。
そのM1ですが
- 高性能4コアCPU(Firestorm)
- 高効率4コアCPU(Icestorm)
- 高性能8コアGPU
- 16コアNeural Engine
- HDR Video Processor, ISP, Audio Processor, Security Enclave
の組み合わせです。
今回投入されたMacBook Airと13インチMacBook ProはいずれもMacとしては低性能なエントリーモデルであるため、次の話題はすでにハイエンドの16インチMacBook Proとそれに搭載されると考えられるハイパフォーマンスMシリーズに移っています。
TechPowerUPはM1Xと呼ばれるハイエンドラップトップ向けチップは8つの高性能コアと4つの高効率コアを備えておりTSMC N5で製造され2021Q1に登場すると報告しています。8コアの高性能コアと4コアの高効率コアの組み合わせという話自体はBloombergが4月に記事にしており、今回の噂はそれを蒸し返した形となります。ただし、いずれの記事でもCPUコアについて触れるのみにとどまっており、GPUやメモリの構成は不明であると報告しています。
- TechPowerUP Alleged Apple M1X Processor Specifications Surface
- Bloomberg Apple Aims to Sell Macs With Its Own Chips Starting in 2021
では、GPUやメモリも含めたM1XのSoC全体について、ダイサイズから予測してみましょう。幸いなことにM1Xの元となるM1はすでに発売されておりダイサイズは119mm²であることが判明しています。
上の画像の寸法から計算すると各ユニットは以下の面積になります。
M1各ユニットのサイズ
| Unit | Size |
|---|---|
| Firestorm | 16mm² |
| Icestorm | 5.5mm² |
| GPU | 25mm² |
| MEM controller | 3mm² |
| SLC Cache | 6mm² |
| Neural Engine | 5.4mm² |
次にIntel Macに搭載されているCPUのダイサイズを確認しておきましょう。
Intel CPU die size
| CPU | Code Name | Model | Size |
|---|---|---|---|
| Core i9-9980HK | Coffee Lake-HR | 16inch MacBook Pro 2020 | 149mm² |
| Core i9-8950HK | Coffee Lake-H | 15inch MacBook Pro 2018 | 149mm² |
| Core i7-7920HQ | Kaby Lake-H | 15inch MacBook Pro 2017 | 126mm² |
| Core i7-1068NG7 | Ice Lake-U | MacBook Pro 2020 | 131mm² |
| Core i7-1060NG7 | Ice Lake-Y | MacBook Air 2020 | 131mm² |
| Core i7-8700B | Coffee Lake-H | Mac mini 2018 | 149mm² |
| Core i9-10910 | Comet Lake-S | iMac 2020 | 202mm² |
iMacやMac miniも載せましたが15/16inch MacBook Proに搭載されるCPUのサイズ感を掴んでもらえれば十分です。
では、まず噂通り119mm²のM1に高性能コアが4つ追加された場合のサイズは
119 + 16 = 135mm²
まだ少し余裕がありますね。Twitterのトレンドにもなっていましたがプロユースではメモリ16GBでは足りない可能性があるのでメモコンも追加してみましょう。
119 + 16 + 3 = 138mm²
これで、高性能8コア + 高効率4コア + 8コアGPU + メモリ32GBのプロユースにも耐えうるM1Xができました。でもまだ少し余裕がありますね。今度はGPUを倍増してみましょう。
119 + 16 + 3 + 25 = 163mm²
高性能8コア + 高効率4コア + 16コアGPU + メモリ32GBの最強スペックのM1Xが出来上がりました。ただ現行の16inch MacBook Pro 2020に搭載されているCore i9-9980HKの149mm²を超えてしまっています。
しかし、ここまでGPUを強化すると現在搭載されているRadeon Pro 5600Mに近い性能(5.3 TFLOPS)になるのでもしかしたらdGPUを省いたモデルになるかもしれません。あるいは、コードネームLifukaと呼ばれているApple オリジナルGPUが搭載される場合、M1XにGPUを混載する必要がなくなるので2パターン目に近いコンパクトな形、もしくはメモコンやNeural Engineが更に追加されるかもしれません。
一方で、iPhoneに搭載されるAシリーズチップはSnapdragonと比べて常に大型のダイを使用して競合よりも高い性能を引き出しています。そこから考えると
高性能8コア + 高効率4コア + 16コアGPU + メモリ32GB
という超絶性能なモノリシックSoCがM1Xの正体だと考えています。